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先日、ニュースになりましたコリネバクテリウム感染症について

院長の川田です。

本年もよろしくお願い致します。

先日、福岡県で地域猫にご飯をあげていた60代女性がコリネバクテリウム・ウルセランスに感染し亡くなられたことがニュースとなりました。

一般にはあまり聞きなれない病気だと思います。当院でも複数の問い合わせをいただきましたので、今回、どんな感染症か簡単に書かせていただきます。

コリネバクテリウム・ウルセランス(Corynebacterium ulcerans)は咽頭炎、発熱などを起こすジフテリア菌の仲間である細菌です。

主に家畜などの動物に常在していますが、人、犬、猫などに感染した事例が報告されております。国内では2001年から2017年11月末までに人で感染した事例が25件報告されており、今回ニュースになった方は国内では初めて猫からコリネバクテリウム・ウルセランスに感染し亡くなられた方になります。

この亡くなられた方以外の感染事例のほとんどが犬や猫を飼育または地域猫にご飯をあげていたということで、犬や猫からの感染の可能性があります。

人のコリネバクテリウム・ウルセランス感染症の症状はジフテリア菌と同様に呼吸器症状(咽頭痛、咳など)が主ですが、皮膚炎を起こした感染例も報告があります。また、動物でも同じようにくしゃみや鼻水などの風邪様症状や皮膚病を起こし、牛では乳房炎を起こすことがあります。

人から人への感染は稀と考えられますが、動物間での感染拡大が起きたとの報告があります。

重症化すると命に関わる感染症ですので、まずは予防をしっかりと行っていきましょう。上記のような症状を呈していない動物でもコリネバクテリウム菌を持っている可能性がありますので、まずは動物と接した後には手洗いやうがいなどをよく行って下さい。また、上記のような症状がある動物に触るときには、過度の接触を避け手袋やマスクをすることで感染のリスクを下げることができます。

人では3種混合ワクチンや4種混合ワクチンにジフテリアが含まれており、このワクチンがこの感染症に対しても有効であると考えられますので、お近くの医療機関にお問い合わせ下さい。

いろいろ書きましたが、普段から動物を触ったあとは手洗いをする習慣をつけていただき、衛生的ではない動物に触れるときには十分にお気をつけいただくことが重要です。

また、何か新しい情報がありましたら、書かせていただきます。